-+-世界比較文化事典(株式会社マクミランランゲージハウス:発行)より-+-

歴史

 インドネシアではいくつもの王国が攻防を繰り返した。

 10世紀から16世紀にかけて、ヒンズー王朝マジャパヒトがインドネシア全域を支配し、この時代にインドネシアの文化は統一された。

 16世紀になるとヨーロッパ人が介入し、1511年以降、ポルトガル人に支配を受ける。ついで1596年オランダ人が東ティモール以外の全域を支配した。

 1602年から1798年までオランダ東インド会社の支配下となり、オランダ政府の直轄統治となった。

 以後、日本軍が占領する1942年までオランダの植民地支配下になった。日本は1945年終戦まで支配した。

 1945年8月17日インドネシアは独立を宣言、スカルノが大統領に就任した。その後もオランダとの間に摩擦があったが、1949年12月オランダも独立を承認した。

 

政体

 初代大統領のスカルノはソ連、中国から軍事支援を受け、インドネシア共産党が政治の主導権を握った。

 1960年代に入ると、共産党と国軍との対立が顕著化し、1965年9月30日共産党はクーデターを起こした。が、失敗に終わり、1966年スハルトが大統領となった。

 スハルトは西側と親密な関係を築き、産業振興と外貨導入に力を入れた。

 1998年、長期スハルト政権と腐敗政治に国民の不満は爆発し、31年間続いたスハルト政権は崩壊し、ハビビ大統領が就任した。

 その後ワヒド大統領を経て、2001年7月より、メガワティが大統領に就任した。メガワティは、スカルノの実娘である。

 イリアンジャヤ、アチェ、東ティモールでは分離独立運動が盛んであり、常に小紛争が起こっている。

 1999年ハビビ大統領は東ティモールの独立を容認した。

 

言語

 公用語はインドネシア語。但し、インドネシアは多数の部族からなっており、それぞれ固有の言語を話している。

 その言語は250とも言われている。

 インドネシア語は、共通語としての意味合いが強い。

 

宗教

 初期の商人や移住者からヒンズー教と仏教がもたらされた。

 16世紀にイスラム教が伝わり、大きな位置を占めるようになる。

 インドネシアは現在、世界でも有数なイスラム国で、信教徒1億8000万人(人口の9割近く)にものぼる。

 それ以外の宗教は、カトリック、プロテスタント、ヒンズー、仏教など。

 

 

人口・人種

 2000年で、人口は2億人を突破した。

 多様な民族、宗教を抱える国である。種族は300以上を数える。

 ジャワ族(40%)、スンダ族(13%)、マドーラ族、ブギス族、バタック族、ダヤク族、バリ族、ミナンカバウなどのマレー系族種が人口の大部分を占める。中国系は300-400万人ほど。

 年齢別人口分布では若年層が多く、30歳以下が65%、15歳以下が37%を占める。