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インドネシア通信 『乾季に洪水?の巻き』

                           神谷 典明 

東カリマンタンの木材産地サマリンダへ行って来ました。
近くにあるクタイ王国だった地域が洪水です。
スブル地区もご覧の通り。
マハカム河水位上昇に拠る床上浸水に見舞われています。
被災者は既に5000人とも6000人とも報道されています。

3月一杯で雨季が明け5月下旬の今は乾季のはずです。
しかしスマトラ島ジャンビ地区でも連日の雨でした。
ジャカルタも曇りの日続きで雨もよく降ります。
カラッとした空に真っ白な入道雲、夕方のサラッと涼しい風、
・・・このような乾季の雰囲気は望むべくもありません。
これも地球温暖化の影響なのでしょうか?
木材を乱伐した咎めでしょうか?
(お陰でかつての木材主産地サマリンダと云えども
 マハカム河流域の貯木場に原木は余り見当たりません。
 合板工場も、元気がなく、元気があるのは石炭採掘業者ばかりです。)

それにしても被害者の底抜けに明るい表情には救われます。
・水に漬かった家の中で机を重ねて寝ている人がいます。
・屋根でお喋りしているおばさんもいます。
・お店も開いています。
・カヌーで来て軒先に置いた野菜をお喋りしながら買うおばさんがいます。
この明るさは一体何でしょう?
彼等は洪水さへも楽しんでいるのでしょうか!
自然に逆らわず、善きも悪しきも全て受け入れてこれを楽しむ。
『インドネシア流生き方』に、脱帽です!